1から学ぶ実戦で使える死活の基本―Part3―

前回までのあらすじを軽く振り返りましょう。

Part1では、広さが大事というお話をしました。

級位者で、石が生きているのか死んでいるのか分からなくて自分の地に手を入れる人、少なくはないのでしょうか? 初心者で、石が生きているとか...

Part2では、実際にどのくらいの広さを目安に考えれば良いのか、というお話をしました。

前回は広いと生きやすい、というお話をしました。 今回は、どの程度広ければ良いのか、というお話をしたいと思います。 ...

このPart3では、広さ(スペース)に加えてもう一つ大切な要素である急所(焦点)のお話をしていきます。

基本はスペースが優先

基本的な問題から、法則を類推してみましょう。

まずはこの形を見てみてください。

スペースに着目してみると、この形は「閉じた六目」ではなく、元々の形は「閉じてない六目」ですね。

ということは、白からこの黒を取れる可能性が濃厚なわけです。

※↑この意味が分からない人は一度Part2までを見返してみましょう。

さあ、白先で実際に考えてみましょう(白先黒死)。

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いかがだったでしょうか?

事細かに解説していきます。

まず、急所(焦点)という言葉の定義ですが、以下のようになります。

急所(焦点):二部屋に分けるのに適した場所

つまり、この問題で言うと、この白1が急所になります。

この急所とスペースを組み合わせることが、死活を考える上での基本となります。

では実際、どちらを優先して考慮すればよいのでしょうか?

まず急所から打った場合を見てみましょう。

こうなると、白から黒を取りに行こうとすると、二部屋に分けられる4目の形で取られてしまい、黒が生きてしまいます。逆に黒から白を取りに行こうとすると、3目の形なので黒が死んでしまいます。

よって、この形はこのまま保留でお互いに手を出すことが出来ない形(手を出しても意味がない形)、つまりセキです。セキはお互いに生きているものとして扱うため、死活を考慮する上では、「生き」と同義になります(陣地はゼロ目ですが)。

では、もう一つの方を見てみましょう。スペースを狭める方から打ったパターンです。

見事に黒を殺すことができました。

ということで、前者は間違いで後者が正解、というのが今回の答えです。

ここで、前者の失敗パターンを見直してみましょう。

白1の急所に対して、黒2とスペースを広げています。

これにより新たな急所が生まれ、急所の地点である白3と打たざるを得なくなりました。

つまり、スペースを広げると生きやすいってことですね。

前回まで2回にわけてお話しした広さが大切という点がよくわかる一例ですね。

スペース(広さ)急所(焦点)を比較した場合、スペース(広さ)>急所(焦点)ということがよくわかる一例だと言えます。

急所が優先される事例

先の基本をいきなり覆しにかかるようなタイトルですが、次の問題にとりかかってみましょう。

白から打って、黒を取ってみましょう(白先黒死)。

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スペースから考えていくことが基本なので、スペースを狭める手から考えてみましょう。

うまく黒を取ることができません。

さて、このとき必ず同じ場所に打たれて黒に生きられてますね。

なので、黒2の場所が急所(焦点)だとわかります。

そして、手筋の原理は「手順を変えて考える」ことです(←この話は後日別記事で書きます)。

そこで、急所から打ってみましょう。

綺麗に黒を殺すことができました。

急所から打つ方が適切な場合もあるわけです。

スペースと急所の優先順位

では、前章の例と本章の例をどのように捉えれば良いでしょうか?

試しに両方の失敗事例を見てみましょう。

比較してみると、スペースの失敗事例よりも急所の失敗事例の方が、陣地の面で損が大きいです(これから減る白地を考えて見るとよくわかります)。つまり、スペースを優先した方が、失敗した場合のリスクが少ないと言えます。

Part2までのお話と以上のことを踏まえて、まとめるとこうなります。

実戦死活の基本

「閉じた六目」が死活のスクリーニング

スペースを狭めることから考える

スペースがダメなら急所から打ってみることを考える

以上を踏まえて、実戦で死活をスムーズに考えられるようになりましょう。

さて、次回はこの基本を使いこなすための小道具の話をしたいと思います。

Part4へ続く。