最近は、ネット碁で学んだ上で(というかネット碁という言い方ももう古いんですかね?)、ある程度実力がついてからリアルで碁を打つ人もかなり見かけるようになりました。

今回は、そんな人たちと初心者の悩みの種、「整地」のお話をしていきます。

※このお話は、日本ルールのお話です(中国ルールなど他のルールの整地には触れません)。

 

整地の必要性

 

さて、下図はダメも詰め終わった終局図(19路盤)ですが、勝敗をつけるには、陣地を数える必要があります。

※アゲハマは、黒5, 白9

 

 

このままではとても数えられないですよね。数えたとしても絶対に数え間違いが誘発します。

そのため、このように整理します。

 

こうなれば黒地が30+20+4=54目。白地が20+10+10+3=43目。ということで、コミ6目半を考慮すると、黒の4目半勝ちです。

このように、お互いに陣地の大きさを間違えないために行うのが整地です。

 

 

整地の基本手法と分かりづらい整地

では、どのようにすればこのように綺麗に整地できるのか?どういう手順でやっていけば良いのか?をこれからお話ししていきます。

 

 

 

整地の基本は「四角形を作る」+「10を作る(一の位=0を作る)」です。

 

 

片方だけではダメです。両方満たす必要があります。

 

 

 

 

四角形を作るって言っても、これは分かりづらいです。

白地を数えてみると、15+5+15+8=43目…って繰り上がりで勘違いしませんか?

誤計算の元です。ましてや一局打ち終えて疲れているところです。正確な計算ができる保証はありません。やめましょう。

 

また10を作ると言っても、右辺の白のような形はやめましょう。

1+2+3+4は確かに10ですが、算数や数学が得意な人なら大丈夫でしょうが、そういう人ばかりではありません。確認しづらいことこの上ないです。

 

1線で10を作るのも感心しません(同じく右辺)。一直線の10を数えるのは数え間違いの元です。検算しづらいです。やめましょう。

 

以上に気をつけて、整地の手順を見ていきます。

①まず、アゲハマを盤上から取り除く。

黒番なら白石を、白番なら黒石を盤上から取り除きます。このアゲハマは後から相手の陣地を埋めるのに使います。

基本的に整地では「相手の陣地を整えます」。自分の陣地をいじるのは、盤上からこっそり石を取り除いて碁笥(碁石が入ってる入れ物)に入れて証拠抹消の完全犯罪ができちゃいます。整地するのは「相手の陣地」です。

 

アゲハマを取り除いたら、こういう図になりますね。

 

 

 

3×10_辺の星を利用する×10の形

 

では、白番だと思って黒の陣地を整地してみましょう。まず左辺の黒地から着手してみましょう。

 

 

②「四角」+「10」をイメージする。

基本は3×○というタイプの陣地が作りやすいのが19路盤です。このパターンから学んでいきましょう。

19路盤ならば辺の星がちょうど隅から数えて10のところです(図の矢印のところの黒石を取ってみると、辺の星があります)。

わざわざ1, 2, 3, ….って数えてはいけません。誤計算の元です。

 

 

③イメージした形になるように盤上の石を動かす。

ということで、区切る場所が分かりましたので、邪魔な石を別の場所に移動させます。

これにて30目の黒地のできあがりです。

 

この②と③の過程を繰り返して、盤上の石を整えるのが整地の基本です。アゲハマは最初に埋める人もいますが、盤上で「四角」+「10」の形をきっちり作ってから(もしくは作りながら)、アゲハマの石を埋めていく方が効率が良いです(個人的な経験上)。

 

 

3×7-1=20目_線対称を利用する整地

左辺で3×10=30目の作り方をやりましたが、もし20目を作るとしたら、どうするでしょうか?

たとえばこういう埋め方をしていくのは、あとでアゲハマでの微調整がしづらいです。

 

3×○=20という形で作った方が数えにくくなりません。でも、3×6=18ですし、3×7=21で、20にはなりません。どうするのでしょうか?

 

(1)3つくらい空けて石を1つ置きます。(慣れてくれば直感的に20を作る予定の真ん中に石を1つ置きます)

(2)(線対称を利用して)横が1個ずつ空いていること(つまり3であること)を確認して…

(3)さらに3をとります。

(4)これで20目のイメージができあがりました。

(5)黒石を持ってくることで、3×7-1=20目の黒地のできあがりです。

この真ん中に置いて「線対称の位置」(中央と両端が同じ距離である点)を利用する手法、筆者はよく使います。これを使うと、実は整地において4より大きい数字を数えなくて良いことがほとんどです。ぜひ発想方法として覚えてみてください。

 

3×4-2=10_線対称の応用

さて、話はやや逸れましたが、元のお話の続きと行きましょう。

右下の黒地の整地ですが、さっきの順序で行ってみましょう。

 

②「四角」+「10」をイメージする

この場合、10を作ることを考慮するのが良さそうです。そうなると3×○=10という形が一番手っ取り早そうですね。

 

③イメージした形になるように盤上の石を動かす。

真ん中に2つの石を置いて、まわりが1列の陣地で囲まれる状態を作ります。

そうすると、3×4-2=10目の黒地です。これも先ほど20目のお話ででてきた対称形の応用です。

 

 

4×○の整地の基本

 

続いて右上に目線を移して見ましょう。右上から上辺にかけては4×○の形ですね。

 

②「四角」+「10」をイメージする。

4の段は、4×3-2=10, 4×5=20, 4×8-2=30, 4×10=40ですが、この大きさなら4×5=20ですかね。

 

③イメージした形になるように盤上の石を動かす。

そろそろ目が慣れてきたでしょうか。なお、5を数えるのが面倒だったら、さっきの線対称を利用して、真ん中に石を仮置きしてみるのも一手です。

 

 

これで、盤上はかなり綺麗になってきました。まだアゲハマが残ってます。下辺が残っていますが、今回はアゲハマが多めなので、ここら辺から埋めても良いでしょう。

 

 

 

④アゲハマを適度に埋める。

手持ちのアゲハマの数をなんとなく察しながら埋めやすいところに埋めます。

 

これで白番の人による黒地の整地が終わりました。

 

2×○の整地の基本

 

では、今度は黒番の立場で白地の整地をしてみましょう。まずは左下から。

②「四角」+「10」をイメージする

今回は2の段ですね。2の段は、2×5=10, 2×10=20のいずれかですが、前者を採用します。

 

③イメージした形になるように盤上の石を動かす

 

 

さて、そろそろめんどくさくなってきたので、残りは割愛しますね。整地が終わった形は最初に示した状態です。綺麗に整いました。

 

 

まとめ

ということで、整地の基本についてまとめると以下の通りです。

 

<整地のポイント>

1.整地は「四角」+「10」の形

2.線対称を利用する

 

これだけおさえておきましょう。これでみんなも整地を恐れなくて済みますよね。(おわり)