囲碁の効率―瞬間効率と経過効率―(部分効率Web版⓪)

囲碁は「効率」が良い方が勝つゲームです。

本記事のIntroductionは以下のプレゼンになっております。もし読み進めて行って理解できなければ戻ってみることをオススメします(なお本プレゼンのWeb版を後日作成予定です)。

このプレゼンの中でも示していますが、

囲碁を学んでいく上で、この「効率」に関して理解することは必要不可欠です。

部分効率論の連載で用いている「効率」の分類について今回は触れていきます。

瞬間効率と経過効率

まずはこの図を目を通してください。

今回のお話はこの図を理解するのが目標です。細かい説明は定義してからにします。

囲碁を理解する上で、効率を2つに分類するとわかりやすいです。

一つは「瞬間効率」。もう一つは「経過効率」です。

なお、この二つは私の利用している「造語」です(一般的には通用しないのであしからず)。

経過効率―相対的に無駄な石数―

囲碁は「交互に打つ」ため、盤上に石が一つずつ増えていくゲームです。

それゆえに、「盤上にある石数」が重要なファクターになります。

試しに純粋な数の勝負で考えて見ましょう。

「2vs1」

これなら、2の方が勝つに決まっています。

「16vs15」

この場合16の方が勝つでしょう。でもさっきよりも勝ちづらくなった感じがあります。

「101vs100」

わずかながら101の方が勝つでしょうけど、これだと戦力差がほとんどなくなっている感じがします。

このとき101の方に負傷者が1だけ出たらどうでしょう?

「100vs100」

数が揃ってしまいました。これでは戦力差がありませんね。

さらに無駄な石が2だけ出ました。

「98vs100」

いつの間にか逆転してしまいました。

これが盤上で行われている「数」のやりとりの一部始終です。

つまり、働いていない石数が多ければ多いほど、不利になります。

もちろん逆も真なりです。

囲碁というゲームは、基本的に盤上に石が残り、その石を動かすことができません。

この「盤上にある石数」に着目した効率指標を「経過効率」と扱うことにしました。

瞬間効率―一手の仕事量―

これまた当たり前のお話ですが、囲碁は「交互に打つ」ゲームです。

「二手連続で打つことはできません」。当たり前です。

でもそうなると、「一石二鳥」が成立すると非常に困るわけです。

一度に一手しか打てない以上、独立した二つの事象に対して、同時に対処できません。

「一石三鳥」なんてやられたらたまったものではありませんね。

先に示したような「すでに置いてあるもの」ではなく、これからの問題として立ちはだかるわけです。

ということで、この「一手の仕事量」を示す効率を「瞬間効率」と定義しました。

効率の影響範囲

改めて最初に示した図を見てみましょう。

横軸が時間(time)で、縦軸はありません。

瞬間効率は影響(effect)が発生した瞬間のみになっているのに対し、経過効率は影響が継続的なものになっています。

これは先ほどの定義の説明から導き出せるのですが、分かるでしょうか?

瞬間効率は「一手の仕事量」に対して定義された言葉です。

つまり、盤上の石数が増えれば増えるほど、「一手」の効力は相対的に小さくなります。経過の中で埋もれていきます。

逆に、「無駄な石の数」はどんどん増えていきます。そして増えれば増えるほど、効率が悪くなり、その影響が盤上に残り続けます。盤上に置いてある(有効な)石数が戦力差を決めるのです。

一方、その原因はどちらも過去にあります。ただどの時点の過去にあるかはcase by caseと言えるので、図ではグレーゾーンで示されています。

ということで、瞬間効率と経過効率についてなんとなく意味がつかめたでしょうか?

実際に囲碁の図を使った説明は、これから出てきます(むしろ囲碁の図を使わないのは今回くらいです)。具体的な事例とともに理解していきましょう。

ついでに以前作成した簡易説明版のPDFも掲載しておきます。簡易説明版なので、少し飛ばし気味ですが、こちらには具体的な事例とともに記載してあります。

http://go-faust.net/wp-content/uploads/2018/04/62c62e4efb1230b137ba5204aa8f8721.pdf

加えて、経過効率の詳しいお話をきっちり載せたバージョンも共に掲載しておきます。こちらはやや難しい内容も入っているので、ここは「初心に返る」ときに来る場所だと思うと良いでしょう。

http://go-faust.net/wp-content/uploads/2018/04/5acfbc7d03b2d2f499696e02d985bb7e.pdf

(この辺のお話もWeb版を作っておきたいところではありますが、気長にお待ちください。)

正直、頭の中で区別さえできていれば、どちらの概念も「効率」と認識して構わないのですが、この二つを比べるのは、「異なる概念」を比べていることになるので、よろしくありません。数学や化学などのお話でよく言う言葉ですが、「比較するときは必ず『単位』を揃えましょう。」

以上を踏まえて、部分効率論の楽しいお話に進んでいきましょう。

今回から部分効率シリーズで、「石の形」と俗に言われているものに触れたいと思います。 第0回を読んだ前提でお話をすすめていきますので、読...